第4回カフェ「どうする?!震災ガレキ処理 」

日時:4月27日(金)19:00~21:00

ゲスト 鷹取 敦さん(環境総合研究所)
       大沢ゆたかさん(立川市議会議員、日の出の森・支える会副代表)
コーディネーター 星川まりさん(「脱原発の日」実行委員会)


コーディネーターの星川さんが報告をまとめてくださいました。ありがとうございます。
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鷹取敦さんのお話

広域処理の「必要性、妥当性、正当性」の三点についてパワーポイントを見ながら話したい。

「必要性」
被災地にあるがれきの写真が環境省のPRに使われたが、がれきの一部だけをズームアップすることで被災地全体があのようながれきに埋もれているかのような誤った印象を与えている。
宮城県では石巻が他地域と比較して特に多いので課題であるのは間違いないがが、全体的に見て3年後という処理期間を少し延長すれば、石巻以外の処理施設に空きが出るので現地処理できる部分が増えるはず。国が2年間しかお金を出さないと決めているから3年以内という期限があるだけで、国が一方的な選択肢を示すのではなく、財政的な支援を行い自治体の自主性に任せて現地の実情に合った処理方法を尊重した方がいい。
メディアには国から広報のためにH23には9億円、H24億円には15億円のお金が投じられており、報道も広域処理が必要だとの論調一色である。例外的に東京新聞の一部の記事ではきちんと問題提起をしている。

「妥当性」
焼却は課題。国のデータではバグフィルターを通せばNDになっているものが多い。検出下限値が2ベクレル/立米で16~32分だが、サンプリング、カウント共に長く、下限値を低くすべき。一方、電気集塵機を使ったプラントではセシウムが検出されている。それにも関わらず国のガイドラインでは電気集塵機を使ったプラントでも処理していいことになっている。これで国民の信頼を得られるだろうか。
最も問題だと思っているのが飛灰や焼却灰を埋め立てた時の浸出水。これは国の検討会の資料でもセシウムの多くが浸出水に出ること、浸出水処理施設では除去されないことが指摘されている。それなのにふつうのごみと同じように埋め立てることができ十分な対策が取られていない。
管理型処分場からの浸出水にほとんどセシウム等放射性物質が溶け出てしまうのではないか。
横浜でゼオライトを使ったら、1Kgの中に5000ベクレルの濃度が5500Kg捕促され、2750万ベクレルを吸着できた、しかしなぜかその後ゼオライトでの処理をしなくなってしまった。なぜか?
水産庁の魚の測定グラフから読み取れる事は事故当初の表層での高濃度はなくなりつつあり、現在は低層と淡水魚は平均で4月以降の食品の基準値である100Bq/kg前後と高い水準であり課題となっている。その他の魚なら産地さえ注意して選べばよいのではないか。
次に、これは今年4月17日の広域処理基準でパブコメなし。
入口240ベクレル/Kg 焼却灰で8000ベクレル/Kg。しかし、浸出水は考慮していない。「溶出」について言及するも、対策なし。処理施設の作業員は7日に1回の調査だけではなく積算線量計によって外部被ばくを把握しておいた方がよい。

「正当性」
がれき広域処理の要請に対して手を挙げている自治体を見ると、廃棄物処理場を持たない、過去に処理の経験をしていないと思われるところが多い。多摩市長が広域処理問題の学習会に参加された時に話したが、東京都知事が受け入れと言ったので、不本意だが受け入れざるを得ないと
おっしゃっていた。法的拘束力もないのになぜかわからない。多摩は革新系の市長であるにも関わらず。基礎自治体の権限が危うい。
※ 参照
http://eritokyo.jp/independent/takatori-fnp0016.htm

特措法制定までのプロセス、会議も議事録も非公開だったため、1~4回まで開示請求をして開示させた。しかしその後は議事録を開示請求すれば議事録を作るのをやめ、会議録音を請求すれば録音するのをやめていた。細野大臣は参議院予算委員会で隠すつもりはないと答弁したがあきらかに隠している。また大臣は4回までは公開していると答弁したが4回までは私の開示請求に応じただけで公開はしていない。
その後大臣の答弁に合わせるようこっそりと4回までの議事録だけが掲載された。

※議事録問題については http://eforum.jp/ の「災害廃棄物安全評価検討会・非公開・議事録問題」コーナーをご覧ください。

鷹取さんの関連推奨記事
http://eritokyo.jp/independent/takatoriatsushi-col1.htm

E-wave Tokyo がれき広域処理
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-column-gareki1.htm

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大沢ゆたか立川市議のお話

立川市でこの十数年見てきてわかっている事をお話すれば、(焼却処理後の焼却灰が)「太平洋セメント」でエコセメントになったものが、どこへ行くのかはほとんどわかっていない。

わずか1~2%が返ってきて道路や側溝のL字溝に利 用される。
本来的な安全性から言えば、使われ方の記録が必要だ。他の自治体でも大体1~2%で、エコセメントはまず行き先がわからない。太平洋セメントに問い合わせをしても情報公開の義務付けがないため、公開不可になっている現状。
推定ではあるが、自分でエコセメントに搬入される放射性物質と、下水放流のベクレルを計算し、搬入が480億ベクレル、放流で 580億ベクレルとなった。

これは去年7月の最もベクレル値の高かった時の試算で、その後は下降している。排出ベクレルと放流水の値があまり変わらない。再生セメントへのベクレル移行がほとんどないと判断するしかない。環境中の放射性物質を測りたい。エコセメント中のベクレルは測っていても発表しないので、クリアランスレベル=100ベクレルまで、が本当に守られているかもわからない。

スペクトルメーターで立川の公園や庭の植物等を測ってみて200ベクレル/Kg。高くてショックを受ける。子どもへの影響は立川でさえこれほどに大きい。そんなところへ被災地からのがれきをこれ以上受け入れるのか?!と思う。

測定できるようになり、数値を知ると、これ程高いのがわかり、安心で きない。

8000ベクレルほどもある焼却灰の上で測ってみると0.06~0.07くらいで針が振れない。空間線量は測っても検知できていないということになり、安心できない。中に含まれる量が問題だと思う。

山中で地下の排水の流れは上下があり、下から上へあがるところはポンプアップするが、ポンプがない所には溜まるだろう、山中もできる限り排水ラインの測定をすべき。

参考;http://homepage2.nifty.com/osawa-yutaka/index.htm